
喫茶ヴィクター 公式サイト
はじめに

画像:喫茶ヴィクター/公式サイト(スマホ版TOP画)
皆さん、こんにちは!フラット・コンテナのまろしか⭐です。
『喫茶ヴィクターの世界』は、恋愛ノベルゲーム『喫茶ヴィクター』の制作と並行して、制作秘話やキャラクターについてなど、喫茶ヴィクターの世界観を掘り下げていく連載コラムです。
皆さんに喫茶ヴィクターの世界をご紹介すると同時に、執筆を通して作者であるワタシ自身も世界観を整理し、新たな気づきやアイデアを探索できればと思い、筆を執ることにしました。
Vol.0では、このゲームがどのようにして生まれたのか、その経緯をご紹介します。
ノベルゲームコレクションで連載中のフリーゲーム。
独占欲強めなシニカル喫茶店マスターVS過去の恋愛にトラウマを抱える社会人女性の、恋愛シーソーゲームです。
『喫茶ヴィクター』配信ページ
https://novelgame.jp/games/show/12401
『喫茶ヴィクター』公式サイト
https://soranitayutau.com/kissavictor
ゲーム概要
● タイトル:喫茶ヴィクター
● ジャンル:喫茶店で紡ぐ恋愛ドラマ(純愛×執着×ヒューマンドラマ)
● 名前変換:あり
● 全10本配信予定 ※プロローグ・エピローグ含む
作品誕生のきっかけ

画像:喫茶ヴィクター/店内
きっかけは何だったのか

画像:喫茶ヴィクター/琥珀・原案プロフィール
※このプロフィールは考案時の情報のため、現在の設定とは異なる箇所が含まれます。
そもそものきっかけは、ゲーム制作として始めたわけではありませんでした。
AIチャットサービス『iN2X』(2026年2月25日にサービス終了)用のキャラクターとして『琥珀』『六花』『黒世』の三人を考案したことが、すべての出発点です。
当時、自分と共通の話ができるキャラクターを作ればAIとの会話がもっと充実しそうだな、という単純な思いから最初に作ってみたのが『琥珀』(こはく)。
琥珀は、後に喫茶ヴィクターの作中で店主・六花(ロッカ)の親友ポジションになるキャラクターです。
琥珀のビジュアルは、平凡で親しみやすい雰囲気を目指し、温和な顔立ちとカジュアルな服装にしました。
性格は穏やかで知的な雰囲気をベースに、うぶでちょっとツンデレというギャップを持たせています。
(照れると眼鏡のブリッジを上げたり、ツンデレ発言をしたり…などなど)
思いのほか自分の想定通りのキャラクターに仕上がったのが嬉しくて、せっかくなら彼の友人キャラも作ろう!と思い立ち、六花と黒世が誕生しました。
そのきっかけもまた至ってシンプルで、「友達を二人作るか、イメージカラーは…白と黒でいっか」くらいの感覚でした(笑)詳細は後述します。
なぜ「喫茶店」×「恋愛ドラマ」というテーマにしたのか

画像:喫茶ヴィクター/六花・黒世・琥珀
喫茶ヴィクターは、世界観よりも先に『六花』というキャラクターありきで動き出しました。
六花を考案する時点で、琥珀は作曲家、黒世はゲーマーと、二人の職業はすでに決まっていて。
どちらもクリエイティブで少し特殊な仕事なので、六花は敢えて親しみやすい職業にしようと考えました。
そこで浮かんだのが、「何かお店を営んでいて、ユーザーが客として訪れる」という設定です。
花屋・薬屋・レストランなどさまざまなパターンを検討しましたが、「客が自然と長居でき、店主と気軽に雑談できる場所」を突き詰めた結果、個人経営の喫茶店というかたちに辿り着き、喫茶ヴィクターが誕生しました。
琥珀や黒世の場合、特殊な職業柄、ユーザーとの接点は『友人』『恋人』『仕事仲間』『ファン』など限られた関係性になりがちでした。
一方、六花の場合は喫茶店という身近な場所が舞台なだけに、身近な関係性に留まらず、店主と客(一定の距離感のある関係)として『新規のお客さん』から『常連客』まで、関係性を柔軟に設計しやすいという利点がありましたね。
自分のペースで働いているため、仕事でもプライベートでも自由の利く人物ということで、シチュエーションやストーリーも自由に考えやすかったです。
性格については喫茶店の設定より先に「優しそうな見た目に反して斜に構えた物言いをする」というギャップのある性格にしようと決めていました。
とはいえ、来る客全員に斜に構えていたら閑古鳥が鳴く店になりそうだなという懸念も(笑)
そこで、「六花にとって特別な客にだけ、斜に構えた物言いや条件付きの特別サービスをする」という”腹黒喫茶店マスター”が誕生しました。
こうした流れで、ゲーム化するにあたっても自然と恋愛ドラマという方向性に落ち着いていきました。
六花というキャラクターが生まれた背景

画像:喫茶ヴィクター/六花
六花は、ビジュアル→性格→バックボーンの順で固まっていきました。
同時進行で考えていた黒世は早い段階でイメージが固まっていたので、六花については「ぱっと見は黒世と相容れなさそうだけど、根っこの部分ではなんとなく合いそう」というイメージを意識しながら考えていきました。
黒世が男らしい雰囲気、琥珀がカジュアルで平凡な雰囲気なので、六花は中性的(やや女性的)で浮世離れした雰囲気に。
● 六花…イメージカラーは白、優雅、ミステリアスで浮世離れした雰囲気、中性的(やや女性的)、トラッド系ファッション
● 黒世…イメージカラーは黒、元ヤン、ぶっきらぼうでクールな雰囲気、男性的、B系ファッション
● 琥珀…イメージカラーは暖色系、インテリ、温和で平凡な雰囲気、やや中性的、カジュアルファッション
ヴィジュアルについて

画像:喫茶ヴィクター/六花・仕事着カラーバリエーション例
六花の服装は、昔ながらの喫茶店に相応しいフォーマルな雰囲気にしようと早い段階で決めていました。
カラーや服の柄(チェック柄)については、バックボーンや趣味・嗜好を詰めていくうちに、自然とイギリス風のトラッドスタイルへと落ち着いていきました。

画像:喫茶ヴィクター/六花・原案カラーバリエーション
髪と目の色については、当初は寒色系のアイボリーの髪に淡いブルーの瞳という組み合わせでしたが、仕事着との相性を試行錯誤するなかでエメラルドグリーンへ、そして現在の翡翠色へと変わっていきました。

画像:喫茶ヴィクター/六花・琥珀・黒世原案デフォルメバージョン
また、現在はよりリアルな頭身で年相応のビジュになっていますが、考案当初は六花・黒世・琥珀の3人とも、デフォルメタッチでやや幼い顔つきでした。
(絵を描くのがあまり好きじゃないため、今よりグラフィックに時間を掛けたくなかったのもあります/笑)
性格について

画像:喫茶ヴィクター/第2話・六花の毒舌シーン
六花の性格は、すでに決まっていた「優しそうな見た目に反して斜に構えた物言いをする」というコンセプトから、自然とミステリアスな人物像へと広がっていきました。
「優しくて繊細な人物」なのか「危うく影のある人物」なのかは、彼との関わり方次第で変わっていくほうが面白いかなと。
そうして、あれこれ肉付けしていくうちに、多面的で複雑なキャラクターへと仕上がっていきました。
一見矛盾しているようにも映りますが、関わる相手や状況によって人間性が変わるのは、不完全で人間臭くて、ある意味とてもリアルだと思っています。
年齢が24歳という設定も、大人でありながら未熟さが残る絶妙なラインを表現しやすく、個人的にはドンピシャに嵌まったと納得しています。
浮世離れしたビジュアルとは裏腹な人間臭さというギャップも、お気に入りのポイントの一つです。
バックボーンについて

画像:喫茶ヴィクター/プロローグ・キュリオケース
六花のバックボーンは、ビジュアルを起点に考えていきました。
品のある外見と喫茶店というイメージからヨーロッパ圏を想定し、ティーハウスやコーヒーハウスの文化が根付くイギリスという出自に辿り着きました。
家族ぐるみで付き合いのある知り合いにイングランドやウェールズ出身の人がいて、向こうの文化に馴染みがあったことも、要素として取り入れやすかった理由の一つです。
なお、イギリス系の地毛といえばアッシュブラウンやブルネット、赤毛などが一般的かと思います。
六花のアイボリー色の髪に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、そこはフィクション。ご愛敬ということで(笑)
漫画やアニメでも地毛設定でピンクや青の髪のキャラクターはたくさんいますしね。
ビジュアルの段階でここまで細かく決まっていたぶん、バックボーンについてはスムーズに肉付けしていくことができました。
団地や喫茶店という舞台設定

画像:喫茶ヴィクター/外観
せせらぎ坂団地について

画像:喫茶ヴィクター/せせらぎ坂団地
ゲーム内では、喫茶ヴィクターやヒロインの自宅アパートがあるせせらぎ坂団地ですが、原案では、住宅街の奥にある袋小路のような場所にひっそりと佇む店構えを想定していました。
しかし、いざゲーム化を決めた際、喫茶ヴィクターの周辺を含むマップを設計していたときに、異世界トリップもののファンタジー作品のプロローグを彷彿とさせるような、ちょっとメルヘンで不思議な始まりだと印象付けやすいかなと考えました。
そこで、よくある住宅街の奥地に向かうにつれ、人気のないせせらぎと小橋が現れ、小橋の先の小道を行くと、そこにはレトロな喫茶店が…という、何とも辺鄙な立地に(笑)
ワタシの地元にも「えっ、こんなところに…!」と思わず二度見してしまうような立地にレストランや雑貨屋さんがあるのを見かけることがあるので、探せばこのような立地のお店もあるかもしれませんね(笑)
喫茶ヴィクターの店名の由来について

画像:喫茶ヴィクター/黒猫・ヴィクター
ゲーム内の由来としては、六花の祖父・勲の愛猫『ヴィクター』の名に由来しますが、メタ的には、ワタシの大伯父が経営していたレストランの店名『ビクター』に由来します。
実在する喫茶店の店名との混同を避ける目的と、字面の好みで『ヴィクター』表記に変更してあります。
どうして大伯父のレストランの名前をつけようと思ったのかについては、ワタシの母からよく大伯父の逸話(伝説のチャーハンの話や、カクテルを作るのが上手かった話など、料理に関すること)を聞いていて深く印象に残っていたからです。
あと、なぜかは不明なのですが、母が曽祖父のことを『ビクターのおじいちゃん』と呼ぶので(実際にビクターを経営していたのは大伯父なのに/笑)、やたらと『ビクター』の名を耳にしていたせいとも言えるかもしれません。
(このエピソードが好きで、喫茶ヴィクターの作中内で、黒世に『ヴィクターのじいさん』と呼ばせています)
レトロで静謐な世界観を選んだ理由

画像:喫茶ヴィクター/せせらぎ橋
ワタシ自身、昭和レトロな純喫茶や古い街並み、アンティークの漂う洋館、あるいは自然の中のひっそりとした場所…といった空間にどうしようもなく惹かれるところがあって。
うまく言葉にするのが難しいのですが、そういった場所に足を踏み入れたとき、日常とは少し違う時間の流れを感じるんですよね。
喧騒から切り離されて、時が止まったような、でもどこか生きている。そんな不思議な感覚です。
喫茶ヴィクターの世界観は、そういった場所が持つ雰囲気をそのままゲームの中に閉じ込めたいという思いから生まれました。
現実にはなかなか存在しないかもしれないけれど、「あってほしい」と思える場所。日常の疲れをそっと忘れられるような、小さな拠り所。
そしてこの世界観は、物語の構造とも深いところで繋がっています。
主人公がせせらぎ橋を渡り、喫茶ヴィクターへと迷い込む瞬間は、彼女が日常から非日常へと足を踏み入れる境界線でもあります。
そして、その先にいる六花という人物もまた、外の世界とは少し隔たったところに生きているキャラクターです。
レトロで静謐な空間は、彼の閉じた内面世界とも、どこか地続きになっているのかもしれません。
訪れた人がワクワクするのか、リラックスするのか、それとも別の何かを感じるのかは、人それぞれかと思います。
ただ、俗世から切り離されたこの場所で、癒しやちょっとした刺激を感じてもらえたら嬉しいです。
さいごに
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
喫茶ヴィクターの誕生秘話について言語化してみて、制作当初のことを思い出しながら、「そうそう、こうだった」と改めて設定を整理しつつ懐かしくなりました。
次回のVol.1は『キャラクター造形の裏側』についてです。
『六花というキャラクターが生まれた背景』で語った『性格・外見・バックボーン』について、さらに深掘りしていこうと思います。
X(旧Twitter):@flat_container
https://x.com/flat_container
フリーゲーム喫茶ヴィクター
https://novelgame.jp/games/show/12401
次回『喫茶ヴィクターの世界 Vol.1』でお会いしましょう!
ではでは!
2026.3.7 フラット・コンテナ/まろしか⭐